エンターテイメントな愛のお話。
このブログやインスタグラムの投稿は、基本的にお店のためのものなので、できるだけ個人的なことは書かないようにしているつもりだが、今回は色々と心を揺さぶられたので、かなり個人的な話を書こうと思う。
私は、子どもの頃テレビっ子で、特にお笑い番組とスポーツ観戦には目がなかった。
小学生の頃は、ボキャブラ天国が大好きで、お笑いノートには好きな芸人さんのランキングを書いたり、いっちょ前にネタに点数までつけていた。
スポーツは特にサッカーが好きで、中学生の時には部屋一面にサッカー選手のポスターを貼りまくり、常に視線を感じながら受験勉強をしていたせいか、高校受験に失敗した。
高校生になる頃には、野球も好きになっており、シーズン中はできる限り18時までに家に帰り、テレビで熱心に野球観戦をしていた。
とはいえ、根がケチな性格な為、お笑いにしてもスポーツにしても、追っかけをしたり、グッズを大量に買ったりするようなことはなく、新聞を切り抜いたり、自分で絵を描いてグッズ化したりと、かなりサスティナブルにファンを続けていた。
大人になるにつれて興味は分散化され、あの時のような情熱でお笑いやスポーツを見ることはなくなったけれど、仕事以外の楽しみは、やはりお笑いやスポーツ観戦が中心になっている。
そんな私が、最近ドハマりしたものが芸人の銀シャリさんのポッドキャスト。
閉店後に片付けや仕込みをしている時や通勤時、そして家に帰ってからもずっと彼らのポッドキャストを聞きまくっている。
もともと漫才が好きで面白いなと思っていたけれど、何気ないトークが面白く、いつの間にか毎日の楽しみになっていた。
私の良くないところのひとつが、自分の好きなことを語りたがるところ。
案の定、今回の話も仲良しのお客さんやスタッフに喋りまくっていたら、ある時からみんなに”銀シャリハラスメント”と呼ばれるようになっていた。

そんな日々を送っていたとき、偶然にも彼らが金沢で単独ライブをやることを知った。
もちろん、そのことはハラスメントと呼ばれようと報告し「行きたいけど行けない…でも会いたい」などと、めんどくさい話を数週間繰り返していた。
そしてその想いはだんだん図々しくなり「ジェラート、食べに来てほしい」と思うようになってしまった。
とはいえ、行動力もないし、口では言うけれど勇気がなさすぎて、タラレバを繰り返している間に、単独ライブまであと数日になっていた。
ライブに行くことすらも色々考えすぎて躊躇していたが、そんな時、これまで散々迷惑をかけてきた周りの人たちが、背中を押してくれ、ライブに行くことを決意した。
人生初のお笑いライブに行くだけでなく、自分の中で最近激アツな人たちを見れるということで、久しぶりにワクワクした気持ちで過ごすことができた。
そしてライブ前夜。
信じられない連絡がきた。
…銀シャリのマネージャーさんからだった。
一瞬、何が起こったか分からず、初めて全身が震えた。
話によると、彼らのYouTube撮影の依頼だった。
いつも見ていたYouTubeだったから、もちろん知ってるし、もちろん承諾。
みんなにこの歓喜を伝えたかったけど、ここはミーハーな気持ちは抑えてプロフェッショナルに努め、当日の朝にスタッフにだけ伝えた。
(恥ずかしいながら、前日は寝れず、当日も時間が経つのがやたら遅かった。)
そして、約束の時間。
緊張がピークに達していたとき、電話が鳴った。
マネージャーさんだ。
「ギリギリのご連絡ですみません…やはり時間がなく、撮影はキャンセルになりました…」
本心では「え!マジか!」と思ったが、もちろんそこもプロフェッショナルに努め、お礼を言い、ライブを楽しみにしていると告げて電話を切った。
ただ落胆の色は隠せず、スタッフと一緒に多少投げやりな発言をしていると、再び電話が鳴った。
マネージャーさんだ。
「何度もすみません。実は今回、インスタでHさんからDMをいただきまして…」
Hちゃんは、私が銀シャリハラスメントしていたメンバーのひとりで、誰よりもライブに行くことを後押ししてくれていた子だった。
「Hさんから、ぜひサプライズでジェラートを食べに行ってくださいと連絡をいただいていたのに、僕が間違えて先に連絡してしまいました。ただ撮影はしないけど、本人たちがぜひ行きたいと言っているので、ジェラートを食べに行って良いですか?」
そうだったのか!すべての謎が解けた。
Hちゃん渾身のスルーパスを、銀シャリさんが受けてくれたのだ。
サプライズではなかったけれど、その後すぐに銀シャリのお二人はお店に来てくれ、ジェラートを食べてくれた。
私はこれまでの人生で、人の為に何かをすることがなく、自分がやりたいことをやってきた。
自分がやりたいことをやってるから、それで相手が喜んでくれればうれしいし、喜んでくれなくてもしょうがないと考えるタイプだった。
ただ、今回の出来事で自分を喜ばすために、こんなに色々な人が行動を起こしてくれたことに猛烈に感動してしまった!
Hちゃんやその周りの人たちの想いが嬉しかった。
そしてただのいちファンの為に、番組でもないのにサプライズまで考えて楽しませようとしてくれた銀シャリさんは、真の意味でエンターテイナーであり、人徳者であるとわかり、今まで以上に好きなった。
この出来事は、自分の人生の中でも強烈な思い出として残り続けるだろうし、これからの人生感も少し変わりそうだなと思っている。
もしもこのブログを最後まで読んでくれた方に、銀シャリさんの人柄が少しでも伝われば、それもまた嬉しい…。
銀シャリさん、最高のご褒美をありがとう…。

人生で初めてもらったサインは
これからも支えになってくれるだろう