ローマでの日々とジェラートの記憶

フォロロマーノ ローマ

 

たまに「イタリアでジェラートの修行をしたんですよね」と聞かれることがある。

イタリアは留学していたけれど、ジェラートの修行はしていない。

むしろ、イタリアに居た時はジェラートよりもエスプレッソが好きでBAR(日本でいうカフェ)の方がよく行っていた。

ジェラテリアには一人で行くよりも誰かと行く方が好きだった。

 

過去3回ほど短期・長期を含めてイタリアに住んでいたが、21歳の時に初めて留学したのがローマだった。

短期留学とはいえ、言葉も通じない見知らぬ土地に田舎者の自分が住んでみようだなんて、今考えるとよくやったなと思うが、当時は不安より好奇心が先行し、知らないことを知れる喜びの方が大きかった記憶がある。

 

ローマでは語学学校から斡旋されたお宅の部屋を借りてルームシェアをしていた。

幸運だったのが、このお家の家主さん、ルームシェアしたブルガリア出身の子、別の部屋に住んでいたアメリカ人のおじさん、みんなとても優しい人たちで、ほどよい距離感で精神的にもとても助けられていた。

ある日、夕飯を終え、くつろいでいたところ、ブルガリア人の子が「美味しいジェラート屋さんがあるから行かない?」と誘ってくれた。そしてアメリカ人のおじさんも誘い、3人でジェラテリア ローマに散歩がらて向かった。

何を頼んだか、何を話したか、今ではまったく覚えていないけれど、ローマの夜、薄暗い道をオレンジ色の街灯の明かりを頼りに向かった、そこだけ妙に明るいジェラテリア ローマで食べたジェラートの記憶は、とても美味しく、温かった。

 

ローマ留学は1か月で終了し、帰国した。

語学学校で出会った人たちは全世界から集まった年齢も性別も違う人たちだった。

「この人たちとは一生会うことはないんだな…」と急に冷静になると、なんだか突然猛烈なさみしさを感じ、「もう誰とも出会いたくない」と思った瞬間もあった。

 

美味しい食卓 イタリア ローマ

 

しかしその3年後、あの時のことも忘れ、また忘れがたい日々と今につながるジェラートの思い出ができるペルージャの街に辿り着いていた。

次は、ペルージャでの日々とジェラートの記憶を書きたいと思う。